水のトレーサビリティを考える
03.

天然水・宅配水ができるまでのフロー①

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「殺菌/除菌」が前提の日本の天然水~遅れている日本の採水環境整備

EUでは、水源周囲の環境を徹底保存

日本の天然水(ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター)は特定水源より採水された地下水を使い、各メーカーによって右図のような工程を経て、作られています。この製造工程に特徴的なのが、「殺菌/除菌」です。原水を加熱殺菌、もしくは同等以上の効力を有する方法で殺菌または除菌ろ過が行われているのです。その方法には「85℃30分以上の加熱殺菌」「120~140℃数秒の高温瞬間殺菌」「ろ過フィルターによる除菌」「オゾン殺菌」などがあります。

一方、日本でもよく見かけるフランスの「エビアン」「コントレックス」「ペリエ」、イタリアの「サンペレグリノ」など、ヨーロッパのミネラルウォーターは無殺菌・無除菌で製造され、輸入もされています。ヨーロッパで求められているのは、人体に有害な細菌を含まない水であることはもちろんですが、体に良い影響のある菌が入った生きた水。EU加盟国のミネラルウォーターは、ボトルの中に含まれる生菌の数まで規定されており、殺菌処理は禁物です。そのため、採水地の周囲数万ヘクタールもの環境を徹底して保全し、水源は非常に厳しく管理されています。 EU諸国の原水採水地の十分な環境整備と比較すると、日本の水源・採水地管理の状況は遅れていると言わざるを得ません。

厚労省は、条件付きで無殺菌の水を認可

日本では、厚生労働省が条件付きで無殺菌の水を認可しています。その条件とは、①源泉から直接採取され、そのままボトリングされた水であること、そして②原水が有害な菌に汚染されていない水であること。ヨーロッパのミネラルウォーターは、この2つの条件をクリアしているというわけです。
※日本製のナチュラルミネラルウォーターにも、この条件をクリアし、無殺菌・無除菌のものがあります。

日本の天然水の製造工程(ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター)

「基礎知識からわかるミネラルウォーターBOOK」井上正子著、新星出版社より作成